2007-09-12

往きは左、帰りは右。

往きは左、帰りは右。
長袖に腕を通すのが気持ちよくてうれしくなる季節。
これからが一番好きな季節。

この通勤もいつか懐かしく思い出すだろうと、今日も片道一時間の電車に乗る。

今の生活になった頃、高松に向かう電車から
見えるものすべて見ようとした。
家や庭や花、飼い犬、のら猫、白鷺、カラス、田圃や木、祠、海、浜。庭弄(いじ)りをするおばちゃん、腰を曲げてあぜ道を整備するおじさん。

初めての新鮮な空気と同時に、この風景を懐かしんでいる自分がいた。
いつかここではない所で、デジャブのようにこの風景を思い出すことがきっとあるのだろう。
そんな自分を知っている。

高瀬川近くの白いお馬さん。今日はいなかったな。
詫間の駅近く、簾がかけられた平屋の家。木のベンチに鉢植えの花。
いつも丁寧にそうじされ、雑種の犬がのんびり日向ぼっこ。
今日も散歩中で不在。
詫間から海岸寺間の海沿いの景色はかかさない。
空と同じ色をしていたり、荒立っていたり、凪だったり。
このために往きは左、帰りは右に席をとる。

多度津から宇多津の海岸沿いに立ち並ぶ
造船所やコンビナートのクレーンや煙突。
丸亀あたりの古くて崩れかけの工場や長屋。

いつも熱心に読み書きしている、立派なおひげと分厚いマスクのおじいちゃん。
クタクタの鞄とスーツだけど品がある姿。
しっかり者で凛とした女の子。

今日はまた天気がいい。ほんとは雨の音をじっと聞いていたいのだけれど。

でもせっかくだから
瀬戸内海のまぶしいほどのキラキラを見に行こう。

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