2007-11-08

冬がぽつねんと立っている。

ぽつねんと、している。
ぽつねんと。。  秋らしい音だ。

そういえば、秋が深まっている。
空が澄んでいる。
今日は立冬らしい。

この秋は、どうも乗り遅れてしまったみたい。
暑い日差しはついこの間だったという気持ちが残ってる。
肌寒いまま外へ出てしまう。ジャケットはまだいらない、と意地を張る。
小学生だった頃はこの時期もう霜が降りていたように思う。
何故かあの時、霜の降りたこの景色が11月であることを「覚えていよう」と思ったのだ。

長時間の通勤電車で足はずんぐりし、首は固まっている。
京極夏彦の「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」なんて読んでいるから更に気持ちまで重い。
吐き気まで抑えていることもある。

電車を降りた歩道橋の上で、いつも空を見上げ、背伸びをし、深呼吸する。
澄んだ冷ややかな空気で浄化する。
誰かの足音はほとんどない。

真っ暗だ。

真っ白に凍えついているパオをなんとか動かして帰る。
ダルビッシュ犬はどこにいるのだろう。
自宅に戻り、車のライトを消すと現れる山の向こうの星たち、オリオン座にドキリする。
今から空へと向かわんとしているところだ。
プラネタリウムで見た指揮者を思い出す。
あそこら辺にはおうし座があるのだな。
夏の、降ってくるような星ではないけれど、たくさんの星星が揺らいでいる。
ぽつねんと、揺らいでいる。

お風呂と生姜湯であったまったら、眠気のゆだねるままに、
するりと冷えた布団に滑り込む。
そして、何も考える暇もなく、猫みたいに丸まって眠るのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿