2007-10-05

九時十三分

九時十三分
彼岸花の赤。
鶏頭の紅。
萩の赤紫。
コスモスの白や桃。
覚えて忘れた黄色いの。
尾花。
秋らしい植物がたんぼのあぜ道やら荒れた畑を色づけている。
この季節の植物は、いつの間にやら辺り一面陣取りしているみたいに群れている。
色あせた草や黄金色の稲穂には随分と目立ち鮮やかだが、湿度を失いつつある風景には咲く姿はいまいち納得いかない気持ちになる。

今朝も梨をかじる。
ジャリッ…。
もう終わりかな。

昨日は母がうれしそうにアケビを買ってきた。
うす紫で小さい瓜のように整った。
絵になるなぁ、と意外な感性を発揮する母。秋だからか?

まだパックリしてないのは初めて見た。
木の上に生っているのしか記憶にない。
めずらしついでに食べたことがあるくらい。
皮を剥くんやっけ?
と聞く母に得意げに叱ってしまう。
さすがに中の種を覆っているトロリと実は綺麗で大きかった。
たくさんを口に入れるとどうしようもなく種ばかりになって、舌で甘みを探るのが難しい。
んん〜…と難しい顔になる。

食べた後の皿の中もなんだか釈然としない。
この種は植えたら生るのだろうか。

夜、びくっとする事が多くなった。
見れば、月だ。
探してもないのに月の光を感じてしまう。
今まで、東京に居たときも地元にいても、はっと気づいて見上げれば満月だった。
どんぴしゃの時もあり、ほぼ満月の時もあり。
ひとつの特技だった。
なのに今回はハズれた。月は半分だった。

輝くのではなく、神々しく密度のある光。
ずっと見ていたら侵されそうな光。
周りの星たちは、ごく控えめに、星座にもならず散らばっていた。

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